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レインマーク液の使用法
by アダム・ワイルダー
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レインマークはあらゆる種類のスケールモデルにお使いいただけるウェザリングテクニックです。
レインマークとは「雨だれ」を意味します。
つまり車輌や建物に付着したホコリや汚れが、雨で流されて、側面にすじ状に残った微かな模様のことです。
このささやかながら大切なウェザリング手法を、手順を追って具体的に説明します。
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塗装行程のどの段階でレインマーク技法を施すべきかは、とりくむ題材によって異なります。
一般的な戦車模型の場合、油彩による描きこみが乾燥した後で、ピグメント処理の前が良いと思います。
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まずご使用の前に、レインマーク液のキャップがしまっていることを確認してから、ボトルを良く振ってください。
容器の底に溜まった塗料成分が溶けにくい時は、筆でかき回して溶かします。
その後、再度キャップをしめてよく振り、全体を十分に攪拌してください。
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レインマーク液が良く混ざったら、細筆を使っての描きこみに取り掛かります。
細筆にレインマーク液を含ませて、液が多すぎるときはナプキンでふき取って調節します。
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適量のレインマーク液を筆に含ませたら、それをモデルの側面に塗ります。
この際、筆を上下方向に動かして、雨で垂直に流れたように塗ります。
最初に塗った層が乾くまで、筆を上下に動かして、ダマにならないようにするのが理想的です。
これを2〜3回繰り返すと、微妙なホコリの雨だれになります。
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4〜5回塗り重ねたら、出来上がりです。
塗り重ねは面倒ですが、作業自体はレインマーク液をつけた筆を、上下に動かして乾かすだけです。
ヘアドライヤーやエアブラシで空気を送ると、より早く乾燥します。
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最も好ましいのは、レインマークを取っ手などディティール下部に重点的に施しつつも、全体としてはランダムな仕上がりです。
ホコリを含んだ水は、ディティール部分に集まってから流れる傾向があるので、ディティール下部には濃い目に施した方がリアルです。
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他のテクニック同様、レインマーク技法も他のウェザリングテクニックと組み合わせて使います。
またレインマーク液にピグメントを混ぜて使うことも出来ます。乾燥後に不自然な箇所を修正するのにもピグメントが役立ちます。
レインマーク液が乾燥した後は、その後のピグメント処理に適したマットな仕上がりになります。
まとめ
レインマーク液の長所は、ごく微かなホコリから、土汚れなどの濃い雨だれまで、塗り重ねる回数によって、好みのレインマークを作り出せるところにあります。
またレインマーク液によって、平らな面に溜まったホコリ汚れを再現することもできます。
この場合はレインマーク液が乾くまで筆でポンポンと叩いてならし、乾いたら再度、好みの濃さになるまで同様に幾層か重ねます。
レインマーク液の使い方に慣れるまで、不要なプラ板などで試して効果を確かめてください。
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