履帯のウェザリングテクニック
Weathering Tracks
by Adam Wilder
AFVモデルの履帯(キャタピラ)は、他のどの部分にも引けをとらない、とても重要なディティールだ。
この記事では、さまざまなアース色やテクスチャーを使って、履帯をリアルに見せるウェザリングテクニックを紹介しよう。
まず最初に、メタル製履帯をリアルな錆び色のブラウンに染めておこう。
ここでは表面を塗装するのではなく、金属を本当に酸化させる方法を紹介する。
この方法のメリットは、後から剥がれることがないことだ。
「QR01 クイックラスト」を小さい容器に入れ、金属製履帯を浸す。
一応、新品のクイックラスト液を使用した場合だと、7〜15秒ほどで十分に効果が出る。
古い歯ブラシなどで、気泡が残りやすい窪んだ部分にも液がいきわたるように擦っておこう。
クイックラストが乾いたら、明るいホコリ色をランダムにエアブラシする。
因みに、塗料はアクリルを使っている。
幾つかのアース系色のピグメントを古い筆でまぶす。
その後、シンナーでブレンディング。
アクリル塗料を数色使ってアース色を作る。
これにピグメントとプラスター、それにフルイにかけた砂を混ぜて、ペースト状に練る。
このペーストを筆につけ、指で弾いて飛沫を飛ばように、履帯に塗っていく。
このテクニックを「スペックリング」という。
リアルさを損なうような不自然に大きくてダルい粒は、爪楊枝で取り除いておこう。
続いて、GP06 ブラウンロシアンアース・ピグメントとグロスバーニッシュ(エナメル系クリアー)を
NL23 ダークストリートダートエフェクトに加えて、先ほどよりも暗い半光沢のペーストを作り、
スペックリングの方法で飛沫を飛ばした。
次に、この暗いアース系色を筆にとって、やや大きめに塗っていく。
明るいトーンとの境界ははっきりしすぎないよう、シンナーでぼかす。
滑り止めの歯がギラリと見えるように、履帯の外側にヤスリをかけてアース系のペーストを剥がす。
履帯の内側のホイールで擦れる部分は土ホコリが無い。
これを太めの鉛筆をこすり付け、それを美術用ゴムへらでぼかして再現した。
グロスバーニッシュを筆やスペックリングでランダムに入れて、濡れた部分を再現したら出来上がりだ。